ホルミウムレーザー前立腺核出術「HoLEP(ホーレップ)」とは
[対象]前立腺肥大症とは
加齢に伴い多くなる疾患。前立腺(内線)が肥大し排尿障害を併発。
前立腺は膀胱のほぼ真下に位置し、尿道の周りを取り囲むように存在しています。前立腺の主な働きは、精子の活動に必要な前立腺液を分泌することと考えられています。
構造はみかんによく似ており、実の部分にあたる「内腺」と皮にあたる「外腺」からできています。「前立腺肥大症」はこの内線が大きく肥大し、頻尿や排尿障害などの症状を引き起こす疾患です。
「前立腺肥大症」は加齢と密接な関係があると考えられており、40歳代を境に徐々に発症数が増加。80歳代男性の場合、ほとんどの方が「前立腺肥大症」になっていると考えられます。
排尿障害がともなうため「恥ずかしい」と感じる方も多いようですが、ほとんどの方が発症する病気です。
仙塩総合病院がご紹介している「HoLEP(ホーレップ)」はこの「前立腺肥大症」を根治させるための新しい手術法です。
[治療法]「HoLEP(ホーレップ)」と「TURP」の違い
レーザーで患部を「剥離」。患部組織を切らないから出血も最小限。
従来の主流だった「TURP」は電気メスで患部を細かく切って取り出す方法でした。このため出血がともない痛みも大きくなっていました。一方「HoLEP(ホーレップ)」ではまず患部組織をホルミウム・ヤグレーザーで剥離。このため出血や痛みを大幅に抑えることができます。
「HoLEP(ホーレップ)」と「TURP」の違い
[技術]「HoLEP(ホーレップ)」の手術方法
尿道から繊細・柔軟な内視鏡を挿入。レーザーで前立腺内線を剥離。
「HoLEP(ホーレップ)」手術は通常腰椎麻酔を用いて行います。麻酔科医が充実している仙塩総合病院では麻酔対応も柔軟。心理的不安が大きいなど、患者さんの上体にあわせて全身麻酔に切り替えることも可能です。手術時間は通常1~2時間程度。入院は4~7日間程度です。
- 内視鏡挿入および核出
尿道から入れる内視鏡は極めて繊細。麻酔の効果もありほとんど痛みはありません。
尿道から入れる内視鏡は極めて繊細。
麻酔の効果もありほとんど痛みはありません。 - 核出組織を膀胱に移動
左葉だけでなく、右葉も同様に核出・移動させます。 - 排出
膀胱内で核出した組織を切断。モーセレーターで排出します。
尿道から入れる内視鏡は極めて繊細。麻酔の効果もありほとんど痛みはありません。 | 左葉だけでなく、右葉も同様に 核出・移動させます。 |
膀胱内で核出した組織を切断。 モーセレーターで排出します。 |
従来の切除術との比較
HoLEP(ホーレップ) | 「TURP(従来の切除術)」 | |
---|---|---|
輸血 | 不要(手術中の出血は軽微) | 数%で必要 |
肥大部分のサイズ | 制限なし | 制限あり(極大の場合は手術不可) |
水中毒 (体内水分増加による 低ナトリウム血症) |
少ない | 数%で発症 |
術後の 尿道カテーテル留置 |
1~3日間程度 | 3~6日間程度 |
疼痛 | 少ない | 排尿痛あり |
入院期間 | 4~7日間程度 | 7~10日間程度 |
再発 | ほとんどなし | 数%で再肥大 |
[連絡先]お問い合わせはこちらまで
前立腺肥大症の先進治療法「HoLEP(ホーレップ)」についてのお問い合わせ
医療法人寶樹会 仙塩利府病院 泌尿器科 外来
<電話> 022-355-4111(代)